第二弾
いろんな立場の方々と”イバショ”について飲みながら考えてみた!
第二弾 対談者:株式会社ウチらめっちゃ細かいんで 代表取締役社長 佐藤啓さん
この記事は10分で読めます。*酔っ払っていることがあります。発言の責任は問わないでください*
佐藤さん:居場所が3つあることで、初めて人間関係は安定する言われていて。居場所が1つ2つっていう状態は、1つがダメだったらもう1つしかないじゃないですか。選択肢が1つしかないっていうのは、それは辛い状態で。トラブルに巻き込まれたり、メンタル崩したり、そんなこともあるのかなーと。1カ所の居場所じゃなく、2カ所3カ所と回って掛け持ちしてみると、色んな意味で安定するのかなーと僕は思ったりしますね。
私:そうなんですよね。人間関係でも、2人だけだと、1人に嫌われたら「この人しかいなくなっちゃう!」っていう危機感とか、「この人に見捨てられたら終わりだ!」っていう不安が強くなっちゃうから、2つより複数っていうのはすごく分かりみが深い。
佐藤さん:そうそう。仕事している人は、今色んな生きづらさを抱えているんですよね。しかも、仕事だけではなくて、家庭自体が今けっこうギスギスしていたりするのがあるじゃないですか。だから、仕事もダメで家庭もダメとなると、もう1個逃げ道が欲しいという形になるんですよね。そういった意味では、仕事家庭以外の第3の居場所があると良いよねっていう話は、一般の働いている人の中でけっこうある話なんですよ。だから、居場所は3つあると良いなっていうのが私の持論ですね。
私:とても共感します。今家庭でも、虐待とかDVとか、極端な話色々ありますけども・・・逃げ道があるとまた違いますよね。
佐藤さん:逃げ道って、私すごく大事だと思っていて。ちょっと前に『逃げ恥』ってドラマがあったじゃないですか。「逃げるは恥だが役に立つ」っていうね。本当に役に立つと思うんですよ。しかも私は、逃げることは決して恥じゃないと思っているんですね。それはある意味、今やろうと思っていたことが、目標の設定が高かったりして上手くいかなかっただけの話であって、別に失敗でもなんでもないんですよね。失敗って考えちゃうと辛くなっちゃいますけど、何か自分が達成したいと思っていることに向かう、ある種1つの道筋だと思うんです。そこでどうやっても乗り越えられない時に、逃げるのはありだと思うんですよ。逃げて態勢を整えて、もう1回チャレンジするっていう。
私:その時は、目標設定もより適正なものに。
佐藤さん:そうそう!あるいは、目標達成するためにはスキルを上げなきゃいけないから、じゃあスキルアップをしよう、とかですね。
私:自分を見つめ直すきっかけにもなる。
佐藤さん:うん。辛くなってしまうことは勿論あると思うんですけれども、自分をすごーく深く見つめ直す、良い時間になるわけなんですよ。居場所の話でいうと、例えば、心理療法的なものをやってくれるところもあるかもしれないですし。色んな選択肢があって良いと思うんですね。
私:居場所って言っても1カ所じゃなくて、複数持つことが大事なのと、バリエーションを持たせるっていうことですね。居場所だけじゃなくて、人付き合いでも同じことが言えると私は思っていて。信頼できる人が複数人いてくれると、安心感が持てます。
佐藤さん:分かりますよ。もし万一何かあったとしても、他に頼れる人・事があるっていう感覚ですかね。それすごい大事だと思います。私が思うのは、そこの段階を経て、最終的なステップとして「この人は絶対に大丈夫」っていう人が見つかるのかなっていう気がしてるんですよ。そこは、色んな人を見なければ本当に分からない。色んな人とつながりながら、その中に恐らく何人かは、ずーっと変わらず同じように、こちらのことを信じてくれる人も何人か出てくると思うんです。その人との関係は、恐らく変わらないと思うんですよね。
私:そういう信頼できる人とか、自分と相性の合う人を見付けるのは、巡り合わせじゃないですか。佐藤さんには、そいういった信頼できる方はいらっしゃいますか?
佐藤さん:もちろん、何人かいますよ!家族もそうですし、職場のスタッフの中でもいますし。「信頼」って思うんですけど、未来永劫信頼できるかって言われると、けっこう苦しいと思うんですよ。何故なら、人って変わるものなので。ただ、今このタイミング、あるいは一定時間、1週間とか。そうやって期間を切ってあげれば、信じるって割とできるかなって思うんですね。例えば、今日とおふじさんと2時間近くお話しして、「私は絶対、とおふじさんのことを悪く言いませんと約束します」と。これをとおふじさんが「分かりました」と言ってもらったら、2時間は信じられるかもしれないじゃないですか。そういうところの繰り返しなのかなーと思ってますね。
私:そうか、私は、信頼って言葉を使う時に、未来永劫って考えていたんですよ。
佐藤さん:そう、だけど、未来永劫ってそうそう出会わないと思うんですよ恐らく。結局そう思っちゃうと、「自分は孤独だ、誰も信じられない」って発想になっちゃうと思うんですね。ただ、このタイミング、この瞬間だったら信じられるっていうのは、ぜんぜんありだと思うんですよ。
私:これまで信頼できる人が見つかったと思っても、心の奥で、結局これは「教員と学生」とか「支援者と被支援者」の関係であって、私がその属性から外れたら、もう信頼関係が途切れてしまうという恐怖感があったんですよ。もっと、立場ではない未来永劫の人間関係が欲しいって思いが強くあった。けど、今のお話を伺って、そういう考え方ができればもっと楽になりそう。
佐藤さん:信頼ってこと自体を、時間のスパンを変えて考えてみると、楽になるかもしれないって話ですよね。居場所に関しても、たぶんそういう話であって。居場所にいる間はお互い傷つけないようにしようとか、そういうルールがあるじゃないですか。そこでもって信頼関係を担保するっていうんですよね。だから、居場所を離れてしまうと、一旦ルールは外れてしまうので、信頼関係としてはちょっと続かなくなってしまうかもしれないと。逆に、居場所にいる間は安全ですと、そこを担保するのはすごく大事だと思うんですね。
私:佐藤さんご自身は、居場所って聞いて思い浮かべる場所とか人とかいますか?
佐藤さん:そうですね、いくつかありますよ。まず、家庭っていうのもそうですし、会社ですよね。自分の会社もそうですし、自分の仕事で付き合いがある人達も居場所の1つですし。あるいは、趣味もいくつかあるので、趣味のつながりもありますね。
私:すごい!昔からあまり居場所に困ったことはない?
佐藤さん:あんまないかもしれないですね。困ったことはないんですが・・・実は、小さい頃にいじめにあったことがあるんですよ。
私:え・・・!
佐藤さん:当初、学校は正直嫌でしたね。ただ、家庭はまったく問題なかったことと、学校を離れてしまえば遊べる友達が何人かいたので。だから、常に3つあったわけじゃなく、2つとかあったんですけど、そこでなんとか安定というか、自分が病んでしまうようなところまではいかなかったかなっていう感じですね。
私:それこそ逃げ場があったから。
佐藤さん:そう、逃げ場があったからですよね。
私:話してくださってありがとうございます。そうだったんですね。学校が辛いと子どもって・・・
佐藤さん:子どもって学校がすべてですよね、はっきり言って。今はね、通う学校がすべてじゃなくて、オンラインとかもあるので、選択肢がいくつもあるっていう。
私:選択肢があることと、選択権があると思えることは、本当に大事なことだと思います。「ここでレールを外れたら自分はダメなんだ」っていうのが、また自己嫌悪につながっちゃうので。
佐藤さん:そうそう、それはものすごく苦しくなりますからね。「ここしか自分の居場所はない」と思ったりね。1つの居場所に限定しちゃうと、それが全てになるじゃないですか。それがやっぱり私は、よくないと思っていて。
私:佐藤さんが、居場所とか、居場所としている人というのは、どういった要素があるのでしょうか?
佐藤さん:うーん、そうですね。私がそこの居場所に行くか行かないかの基準はすごくシンプルで、楽しいかどうかなんですよ。楽しいと思える人と一緒にいるって感じですね。逆に、楽しくない人と一緒にいる意味がわからないって思いますね。
私:人生において楽しさって重要ですよね。
佐藤さん:そうですよね。もうちょっと深く考えると、「楽しい」っていうのは何なのかって話ですね。私が楽しいと思うのは、1つ言えるのは「新しい経験」。すごく好奇心が旺盛なので、新しい経験ができるっていうのがすごく大きいですね。あと、「ホッとする感覚」。この人と話をしたらすごくホッとするなぁとか。あとね、「ワクワク感」。未来に関する期待っていうのかな。未来をイメージしたくなるような。そいういうのを持てると私は楽しく感じますね。だから、何が自分にとって楽しいのか、それを考えるのがすごく大事だと思いますよ。人によってはね、いわゆるドMって言われる人達ですけど、辛いことが楽しいっているじゃないですか。
私:いるんですかそんな人!?(笑)
佐藤さん:いやぁいますよ(笑)。ウチの社員でもね、めっちゃストイックにトレーニングとかする人いるんですけれども、追い込まれるのが楽しいそうなんですよ。
私:えぇー!!わからんなぁ・・・(笑)。
佐藤さん:わかんないね!ぜんっぜん僕はわかんないんですけど(笑)。人によってはそういう人がいるんですよ。何が楽しいと思うかは人それぞれなんですよね。そこ自体否定するものでもなければ、誰か他の人に強制する、それはまた違うと思うんですよ。
私:それはごもっともです。
佐藤さん:楽しみをどこで感じるかは人それぞれなんで、そこは尊重しようって話ですよね。
私:自分のことも考えるきっかけになりますね。自分は何が楽しいんだろう・・・。安心感がある、そして、未来につなげられるっていうのは、私も確かに同じだなって思います。新しい経験っていうのは、あまり重要視していなくて、自分が嬉しいとか楽しいと感じたことを分かち合えるというか、共感できる関係性が良いのかもしれない。
佐藤さん:あー、それもありますよね!
私:私は、同世代の中でも変わり者だったので、共感への羨望が強いんですよね。だから、自分の気持ちに対して共感してくれる人がありがたいし、嬉しいって思います。そういう人と一緒にいるのが楽しいかもしれません。
佐藤さん:なるほど。そうそう、そういう風に考えてみると、楽しいって1つ取っても、その裏にあるものですよね。それがまた色々考えるきっかけになるし、居場所の話につなげるとするならば、そういった自分の楽しさの裏にあるもの、そこにつなげられる要素を持っている居場所ですよね。逆に、どんな場所にはいたくないかっていうのもね、考えてみたら良いのかもしれないですね。
私:それは大事だと思います。
佐藤さん:あと私はね、楽しいってもう1つ大事な要素があって、「誰かが喜んでいる」。例えば、今日とおふじさんをここのお店にお連れして、「こんなの食べたことありませんー楽しみですー!」って言ってくれたじゃないですか。それがすごく楽しいんですよ。
私:今日は本当にこんな美味しいお料理を・・・佐藤さんからお店の情報が来た時、もうもう本当に手が震えちゃいました!(※ただいまリッチなお店でコース料理を堪能中)
佐藤さん:あはは、そうですか(笑)。
私:本当に今日はありがとうございます!良い経験をさせていただいています・・・!
佐藤さん:それは良かった。
私:ちょうど2日後に、KHJ全国ひきこもり家族会連合会の上田さんとも、この対談をする予定なんです。
佐藤さん:あ~上田さんと!あんまりお酒を飲ませ過ぎないようにしてください。
私:え、そうなんですか!?お酒好きと伺ってはいるんですけども。
佐藤さん:好きというかねぇ・・・あの、ちょっと、ヤバい飲み方をする人なんで。
私:や、ヤバい!?そうなの??(笑)
佐藤さん:あの、日本酒があるところは要注意なので気を付けてください。
私:わ、分かりました・・・そうですか。
佐藤さん:まぁ、大変ですよね(笑)。
私:大変、ですか。ちょっと、そこは、気をつけなきゃ(笑)。
佐藤さん:今の話も記事にしといてください(笑)。
私:わ、分かりました!(笑)