第十五回

いろんな立場の方々と”イバショ”について飲みながら考えてみた!

第十五弾 対談者:家具のワタナベ 代表ワタナベヨウ

この記事は10分で読めます。*酔っ払っていることがあります。発言の責任は問わないでください*

 

ワタナベさん:居場所はまだ探してる途中なんだけど、留まらないことは必要なのかな。いつも俺はフラフラしてて、必要とされる場所に行っているので、その流れ着いた先なのかもしれない。仮に居場所というものを「場所」とした場合、そこから一歩も動けなくなって、そこに執着をして、価値観も気持ちも動けなくなっちゃうのがちょっと怖いなーって気がしちゃうかな。

 

私:ヨウさん的には、色々な世界を行ったり来たりしたい。

 

ワタナベさん:したい!気持ちは動かしたい。野に良し野に良しで、ノラノラしてるのが好きですよ。なかなか自分の性格って変わらないじゃない?変われないけど、色んな人に会って色んな影響受けると、自分の良くないところも見えてきたりして。嫌な部分が直りはしないけど、なるべく自分の性格を乗りこなしたいというかさ。そうやって動ける自分を作って、動いて、心地よい場所を見付けるしかないのかなって気はしているんだよね。俺はよく田舎で言われてたんだよ、「それはそういうものでしょ」「そうあるべきでしょ」「あなたのためを思って言っているんですよ」。そう言う人達を見てると、なるべく1ヶ所に気持ちだけはいたくないって思ったりはするんだよな。

 

私:1つだけの価値観じゃない、色んな価値観があるのに、決めつけられちゃうのがしんどい。

 

ワタナベさん:しんどい。違いってさ、おもしろがるとこじゃない。おもしれー!ってさ。そこをおもしろがれない、自分達と考えが違うから悪い・ダメな人間だとか言う人をたくさん見てきたから、それに対する強烈な反発とか嫌悪とかが俺の中にあると思う。

 

私:それで東京に来て、色々刺激を。

 

ワタナベさん:そう。色んな人に会って色々おもしろがった。アダルトビデオの女優さんとか男優さんとかとも話したことあって、けっこうおもしろいんだよね。どういうふうに仕事をしているのかとかさ、別に普通なんだよ。色々と違う職業の人の話を聴いたりするとおもしろくて。

 

私:たぶん、ヨウさんって色んな世界観を楽しめる方なんだなって思っていて、映画もジャンル問わず観られるじゃないですか。ヨウさんは何でも楽しめるから、すごい才能だなーっていつも思うんです。

 

ワタナベさん:自分ではわかんないけどねー。そうだったらちょっと嬉しいかな。そうね〜ここが居場所だなってとこに行けると良いんだけど、まだ先で良いかなって気がする。もうそろそろ体を動かすのキツいし次に譲ろうかなって時に、そういう場所にいれたら良いのかなって気がしちゃうけど。

 

私:引退の時ですね。今はノラノラしながら楽しい事を見付けて、色々世界観膨らませて、来るべき時に備える。

 

ワタナベさん:そうですね。そんなことぐらいだよね、考えてるのって。

 

私:今まで居場所ないって悩んだことはないですか?

 

ワタナベさん:いつも思ってる。

 

私:いつも思ってるけど、すぐに見付からなくても良いって感じ?

 

ワタナベさん:歳食ってきたのか、そんなもんかなぁみたいな。昔はもっと強烈に求めていた気がする。俺は本当に「男のクセに」っていうのを言われ続けた人間なので、とにかくここから出れば俺の居心地のいい場所があるんではないかって思ってたりしたからねー。俺程度のヤツなんて、東京来れば腐るぐらいいるわけですよ。でもさ、田舎だと「変な人」になっちゃうんだよね。絵が好きだとかさ、髪を伸ばすだけで言われるんですよ。

 

私:ロングヘアーだめなんですか。窮屈だ。

 

ワタナベさん:だから、その時点では東京が居場所だった気がする。東京でやりたいことあれば、「あ、やって良いんだ!」っていうのが俺には心地よかったんだよね。

 

私:じゃあ東京に来て良かったですね。変人扱いされずに自由にさせてくれる。

 

ワタナベさん:自由にさせてくれるし興味すらないし、おもしろいと思えば乗るし、やってみれば良いじゃんっていうところが、俺にはすっごい心地よかったんだよねー。特に、サークルに入って忙しかったんだよ。今考えても殺人的に忙しかったサークルでさ。寝たら終わりって思ってたもんね(笑)それぐらい忙しかったのがまた良かったなって、今となるとね。

 

私:サークル何でしたっけ?

 

ワタナベさん:ジャズ研究会。大学の授業やりながらジャズ研っていうのは、ものすごい負担だった。でも、やりがいがあったし、皆やっぱり求めてくれる部分あったし、それがあの時の居場所だったんだなって思うよね。この間、『パリ13区』って映画観たんだけどさ。ストレートに青春映画で、ガタガタの人達なんだけど、その時点での自分がベストと思える場所に行くまでの話。なんか、そういうことを繰り返していくのかなって気がしちゃうよね。

 

私:その時々のベスト、どうしたら見付かるんですかね〜?

 

ワタナベさん:さおりさんは、職場はそういう感じではないの?

 

私:う〜ん。仕事は仕事でやりがい持ってやっていますけど、何か違うんですよ。職場の人も、きっと私が死んだら悲しんでくれるし、電報打ってくれると思う。でも、プライベートの方で居場所がほしいなって思うかな。自分が病気になって何もできない、動けない〜って時にも必要としてくれる、利害関係のないつながり。

 

ワタナベさん:「別に辛い顔して良いんだぜ」っていうさ。さおりさんを必要としている場っていっぱいあると思うんだよね。

 

私:む〜〜〜ん。実感できないのが私の才能なのでしょうか。

 

ワタナベさん:むずいよね〜そこね。まぁ、俺の居場所は、最終的に見付かるかどうかはわからないですけどね。友達のGさんと2人で無人島にはいたくないかな(笑)結局俺達2人になっちゃったねーみたいな(笑)

 

私:嫌なの?(笑)

 

ワタナベさん:オッサン2人ですよ?(笑)

 

私:良いコンビだと思ってましたけど(笑)どういう最期が良いとか、最後に何したいとかありますか?

 

ワタナベさん:わかんないよね〜。とりあえず一通りやって、何か残していけたらとは思うよね。この椅子は俺がデザインしたんだぜって。

 

私:物作りをする人は物を残せるから良いですよね。

 

ワタナベさん:さおりさんは絵があるじゃん。泣かしたんでしょ?

 

私:昔ね。自分の絵で泣かせたいっていうのが夢だったから、見ず知らずの初対面の方が、油絵1枚の風景画を観て泣いてくれたのは、やりきった感があったなー。

 

ワタナベさん:あと3回いきましょ!

 

私:やりたいですね!(笑)ヨウさんは、映画でいっぱい泣いているじゃないですか。

 

ワタナベさん:しょっちゅう泣いてますよ!感動した映画の説明を人にしながら、思い出して泣く (笑)泣くとさ、けっこうスッキリするじゃん。

 

私:私、オーケストラ聴くとすぐ泣いちゃう(笑)生きているうちに、たくさん感動したいな。感動する時間を増やしていったら、居場所って考えなくなるかなってあると思う。

 

ワタナベさん:泣こうぜぇ!(笑)でも本当、田舎にいる頃は、ここじゃないっていう怒りみたいなものはずーーーっとあった。まぁ時代もあったしね。それこそ、「男の子は坊主だ」みたいなさ。

 

私:ブラック校則ね〜。最近ニュースとかでも取り上げられるようになったけど、何この校則?ってありましたよね。女の子は、肩より髪が長かったら結ばなきゃいけない。なんで・・・?

 

ワタナベさん:びっくりだよね。オン・ザ・眉毛にしなきゃいけないんだよね。何がどうなるの!?って。アメリカ映画でさ、『ブックスマート』って映画があって。ぽっちゃりした女の子が、高校はとにかく勉強して勉強して、エール大学に受かったの。やっと私は、高校時代全部を勉強に費やして、エール大学に受かったんだ!みたいな。そこに、男の子2人と女の子1人がやって来るんだよね。それでさ、そのぽっちゃりした女の子の事を言い始めるわけさ。「あの子ってどうなの〜?」「なんかねぇ〜」みたいなさ。決して人格否定ではない、ちょっと悪口的な事を言ってるの。それを聞いちゃうんだよ。出て来てさ、「ヤバい!」みたいな空気になったその子らに、「まぁ私は、もうあなたたちとは会う事ないから。私ほら、エールに受かっちゃったから」みたいなこと言い出すと、1人の男が「え、俺コロンビア」、女の子も「え、私もエール」、もう1人の男の子も「俺Googleに就職決まったから」。チャラついてる奴らが自分と同じレベルのところに行くっていうね。うっそ!?だったら私も学校生活遊ぶわよ!みたいな話になって、遊ぶんだけど。その中で、この子ら3人の抱えている事情とか、実はチャラついているだけではないんだよとかさ。ぽっちゃりした子の事を別に嫌ってないんだよね皆。遊んでいく中でそれを知っていくって話なんだけど。

 

私:へぇ〜!それはすごい価値観の転換ですね。勉強第一で来たのに。

 

ワタナベさん:そう!それで、学校の先生が、鼻ピアスとかタトゥーとかなんだよね。

 

私:先生が!?その有名大の?

 

ワタナベさん:そうそう、エールとかコロンビアの先生。で、男女同じトイレで。ぽっちゃりした子の親友ってレズビアンなんだよ。それ自体が問題ではないんです。それはもう普通なんだよ。男女兼用も普通だしゲイも普通だし、別に鼻ピアスも普通じゃん?っていう。そういう学生が、エールとかコロンビアに受かっているんだよ。実際にそうなんだって。

 

私:日本の学校とぜんぜん違う!自分の好きな格好して、自分の気持ちが盛り上がるような物を身に付けて過ごすって楽しいじゃないですか。ヤル気も出るし。

 

ワタナベさん:自分をまた客観的に見れたりするしねー。別に今までの事を捨てるわけじゃなくて、もっと新しい事を取り入れなきゃ発展していかないよって。だから美大は良かったと思うよ。美大必要論ってあったけど、俺には必要だったんだよね。

 

私:美大って色んな人いますよねー。エールとかコロンビアの雰囲気に似てるかも。卒業式でコスプレする人も多いじゃない。

 

ワタナベさん:なんですってね。僕らの時は、コスプレっていう言葉自体がなかった。

 

私:あ、そうなんだ!卒業証書授与式がパレードですよ。一般大卒の人にYouTubeでパレードの動画見せると「これが卒業証書授与!?」って驚かれます。

 

ワタナベさん:良いよなぁーなかったんですよー。さおりさんはコスプレ何するの?

 

私:私は普通に振り袖でしたけど。

 

ワタナベさん:今から今から。

 

私:今からか(笑)なんだろうな、異国の民俗衣装着てみたい。あと、浴衣持っているんですけど、着る機会がないんです。宝の持ち腐れの状態で。

 

ワタナベさん:じゃあ浴衣着てどっか行こうぜ。

 

私:行きます?花火見ます?

 

ワタナベさん:俺も浴衣着ないといけないよね。

 

私:女性用のなら余ってますが。

 

ワタナベさん:さおりさんが良ければ女性用でも良いんですけど(笑)内股でオネェ的な感じで「行こうよぉ、さおりぃ★」って。

 

私:ちょっと・・・そうだな・・・大勢誘えば良いですねきっと。2人きりはちょっと気まずいかも。

 

ワタナベさん:「さおりぃ、見て見てぇ★イイ男と一緒に行きたいなぁ♥」

 

私:ヤバい(笑)おもしろいかもしれない(笑)じゃあコスプレパーティーしますかね。感動する時間もっと増やしたいですし。

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