第四弾

いろんな立場の方々と”イバショ”について飲みながら考えてみた!

第四弾 対談者:都市銀行 支店長 荒川智貴さん

この記事は10分で読めます。*酔っ払っていることがあります。発言の責任は問わないでください*

 

荒川さん:自分の力が発揮しやすい環境っていうか、自分らしく生きていける環境みたいなさ、そういうのってあるじゃない?ちょっと力を入れて無理をしないといけない環境とか、のんびりしやすい環境っていうのもあるし。

 

:自分らしい環境かぁ。

 

荒川さん:銀行員って転勤がけっこうあるんだけど、A支店では「あまり力出ないな」って言われる担当者がうちの支店に来て。でも、見てると「普通の子なんだけどなぁ」って思うじゃん。で、しばらくすると大活躍し始めたりするんだけどさ。それって何かなっていうと、その子を「力ないな」って見る周りの視線みたいなものが、本人にもじわりと影響していて、活き活きできない環境があって。うちは皆で頑張ろうぜっていう環境にしているのだけど、そうするとやっぱり気分や心の持ちようも違うじゃない。銀行でよくあったのは、自分で精一杯考えて成果を出せっていうさ、戦時中の昭和時代みたいなことを言う人も多いんだけど。質問すると「どこまで君は自分1人で一生懸命頑張って考えたんだ!」って。

 

:知らなかった・・・厳しいですね!

 

荒川さん:間違えると二度と失敗しないように、心に刻ませるぐらいに周りが言うっていうのはね、昔の銀行の文化だったかもしれない。僕の年代は、そういう「耐え忍びながら学んで成長する成功体験で出世できたんです」って言ってる人がいるから、またそういう環境を作っちゃうんだよね。だけど、僕はそんなことないと思っていて、人は環境によって人格が決まるって思ってんだよね。人格がそもそもあって、それをあらゆる環境で発揮できるんではなくて、人格は環境が決める。要は、居場所がどこにあるかによって、人って変わってしまうって思うんだ。

 

:私自身も思い出すことがあります。私も高校までは、周りから根暗な人間って言われていて、自分でもそう思っていた。でも、大学でガラッと環境が変わって、生きやすくなったことで、自分でも考えられなかったくらい明るい性格になれて。今もこうやってしゃべれてますけども、それは環境のお陰だなって思うんです。

 

荒川さん:そうなんだよね。主体的に自分が求める居場所ってどこですか?っていうと、自分が自分らしく生きていける場所っていうか。それって、切磋琢磨したい!っていう環境もあるし、もぉ〜ゆっくりしたいんです!っていう環境もあるし。その時々によっても、自分の求める居場所ってけっこう違うよね。

 

:自分のコンディションによっても居場所の定義が変わってきますよね。

 

荒川さん:そうだよね。1人になりたい時もあるし、めちゃめちゃアグレッシブな奴と一緒にやって、自分に刺激を与えたい時もあるしね!

 

:今は自分が活き活きしてるから、ノリノリな音楽をよく聴くんですが、高校生の時までは、ヒーリングミュージック系の静かな音楽ばっかり聴いていたんですよ。音楽のラインナップが、昔と変わってきた。それは、自分の好みが変わったっていうよりも、コンディションなのかなってよく思います。

 

荒川さん:なるほどね。環境によって、人っていうのが全然変わってくる。その活き活きできる環境作りを世の中に提供していきたいなっていうのが、僕の今の目標になるのかな。いかに気持ちよく仕事をしているのかとか、懸命に生きてるのかっていうことを考えながら、今の仕事でマネジメントをしていて。もっと言うと、地域のためにね、活き活きとする場所を作っていけると良いなぁと。まぁこんな話をすると、いろんな反響があって、面白い!っていうふうに言っていただける取引先の社長もけっこういて。コロナの環境下だからかもしれないけども。

 

:状況が変わりましたものね。

 

荒川さん:社会に必要とされるものの定義が徐々に変わってきてるんだよね。今までやっていたその仕事って必要でしたか?今までのあなたのしてきた仕事をまったくやってませんけど会社回ってますよね、とか。価値があると思っていた色んなものがなくなってってるのが、どこの世界にもあって。

 

:うちも、手押しだった印鑑が電子化されて、すごく効率化になりましたし、在宅勤務になったので、仕事終わったら散歩行ったり、趣味の時間に充てられるようになりました。自分の時間が沢山できるようになっても、仕事はちゃんと回ってるじゃん!っていう。余計な苦労をしてきた部分もあったのかもしれないですね。

 

荒川さん:すごいポイントだよねそれは。余計な苦労をして時間を過ごす。だったら、楽しいことをして過ごしてた方が良かったよね。コロナで、今どんどん世の中が変わってきている。その向こう側にあるのは、「居場所」っていうものが今までよりも大切と感じる世界が待っていて。それを感じた末に、世界が今、好きなことをやれる居場所の中で生きていって良いんだって気付き始めていて。そして、そういう好きなことが、どんどんアウトプットして見てもらえる世の中にもなったじゃない。

 

:SNSとかYouTube。

 

荒川さん:発信しやすくなってるでしょ。好きなことが埋もれなくなっているから、どんどん好きなことがやれる世の中になっていて、そういうところを起点にして、これまで多くの人が気付かなかった新しい居場所っていうものができあがってきてるんじゃないかな。

 

:私の子ども時代なんかを思い返してみると、テレビゲームしたり本読んだりっていうのは、誰かが作った製品を受け身としてやっていく過ごし方だった。今はYouTubeやSNSで発信したり、または、誰かの動画に対してコメントしたりとか、発信する子どもが多くなったなって印象があるんです。それは、私の子どもの頃にはなかった文化だなって思うんです。

 

荒川さん:人間の行動として「発信する文化」ってことを考えると、今気付きがあったんだけどね。昔ぼく、任天堂のファミリーコンピュータとか没頭してたんだけども、何かクリアするとか、スーパーマリオの隠しキャラを見付けると、すぐ学校に発信してたんだよね。

 

:友達に伝えたり?

 

荒川さん:そう、電話で「おーい見つけた!!」みたいな感じ(笑)。それはもう、1対1で発信するのが精一杯で。でも、ゲームとか本の世界ででも、自分が気付いたり見付けたことをちゃんと発信して、人に認めてもらうことを人間は求めるんだよね。そこで、自分の居場所や生き甲斐っていうものとか、人に「すごいね」って言ってもらえる価値の求め方とかをやってたんだよ、きっとね。

 

:共感を求めてた。

 

荒川さん:そうそう。今は共感を求められる世界がデカくなってきた。ゲームがめちゃめちゃ大好きで、その腕前は、投げ銭を上げたくなってくるぐらいに見る人を魅了したりできる。それでもう何億円稼いでいる人もいるでしょ。

 

:いますね!ちょうど今朝ニュースで、9歳のYouTuberが30億稼ぐっていう、

 

荒川さん:9歳児で!?すごいね!

 

:そういう時代が来たかって思いました。

 

荒川さん:その9歳の子は、多分めちゃくちゃ好きで没頭できることを、ただやっているに過ぎないかもしれないよ。だから、「ゲームばっかりやってんじゃないわよ!」っていう時代からね、ゲームですら、好きなことをやる価値を証明してくれてるっていうか。昔だと「てめーが1人で幸せになってるだけ」っていう話で、誰にも幸せを分かち合えずに、社会的なコストとして見られちゃってた。でも、好きなことをやってることはコストじゃなかったっていうのが、今証明されてるよね。

 

:昔の人の勝手なイメージですけど、旦那さんがフィギュアをたくさん集めてて、奥さんが「またそんな無駄なものを!」みたいに怒ってるイメージがあるんですけど。

 

荒川さん:俺もある(笑)。

:ありますよね(笑)。でも、YouTubeで「フィギュアオタクの家を見せます」みたいな動画が上がってたりして。すごい数のフィギュアで、レアものがあったり。そういうのは再生数も大きくて、たくさんの人が共感して、「いいね!」ってするんですよね。今までは自分だけの1人の世界の楽しみだった趣味が、世界の人から共感されることになる。価値がガラッと変わるっていうのはすごいなぁって思います。

 

荒川さん:人に共感されるとそれが価値に変わる。そこをやれると、居場所ができるんだよ。懸命に考えて行動して、人に受け入れられ共感が作れた人っていうのは、自分で居場所を作ることができるんだよね。

 

:自分で作り出せる力、ですね。

 

荒川さん:思うのだけど、すごいスーパーカーを持って、すごいシャネルの服を着ている世界観の人達と、500円くらいで売ってるしまむらの服を着て、そこに価値観を持っている人の幸せ度って、ほぼ変わらないよね。昔のしまむらって、1回洗ったら着れなかったようなものもあったど、もう3シーズンくらい着れるじゃない。十分シャネルの服と同じ耐久性はある。

 

:えぇー!昔はそうだったんですか?今のしまむら、そんな、考えられないですよね。

 

荒川さん:ね、しっかりとしたものできあがってるじゃん。だから何が違うかといえば、シャネルを着ている人達は、シャネルを着ている世界観にすごい価値を見出して、生きやすい世界だと思い込んでるわけだけど、その人達にも不幸、不安なことはいっぱいあって。お金持ちとの間で人付き合いがうまくいかないとかね。ちょっと話が変わるけど、お金で自分のやりたいことを買うより、何か人の真心で共感して生きていた方が良いこともあるじゃない。支え合うのが生き甲斐だから、人間のね。そこにはそこならではの大変なところもあると思うけど、幸せ度数からすると、金持ちの世界とそうでない世界では、そんなに大差がないかもしれない。

 

:そもそも日本って、物質的には先進国の中では豊かだけれども、幸福度は全世界でワースト何位らしいですよね。物が豊かかどうかではないんですね。

 

荒川さん:そうなんだよね。目標の数字をやっていくことが、人の幸せに直結していたっていうふうに僕も昔思い込んでたけど、そうではなくて、いかに皆と協力をし合って、お客様が必要だなって言うものをうまく提供していけるのかっていうこと、そこに一番の価値があって。またこういう、さおりちゃんと一緒に話ができるっていう環境ね、これも僕の一つの居心地のいい居場所だよね。

 

:あら嬉しいです!

 

荒川さん:この居場所があるから、自分の潜在的に思ってることに気付きもあるし、その気付きが人に影響を与えることになるかもしれないしね。だから、今の居場所を総じて言うと、全部1つ1つが自分の好きなことで、好きなことを通じて居場所を作ってるってことなんだよね。

 

:なるほど。なんか、荒川さんの真面目な話聞けるのが面白いです(笑)。

 

荒川さん:あ、ほんと??(笑)

 

:今までにない真面目な話ですよね。

 

荒川さん:こういう真剣な話をしている時に、最高の良いものが生まれてるんじゃない?

 

:じゃあ良かった〜。今日ね〜、オーラが違いますもん!

 

荒川さん:ほんと?どんな感じ??(笑)

 

:いつも笑い話が多い感じじゃないですか。「わいわい(^^)」って擬音がつくような。今日はキリッとされててね〜、お仕事モードですか??(笑)。

 

荒川さん:いやぁ、お題が良いからじゃない?(笑)これまた2時間(録音した会話を)聞くの??

 

:聞きますよ!テープ起こししますよ!

 

荒川さん:マジ!?すげーな!!

 

:いや〜それが楽しいんですよ♪

 

荒川さん:だからね、やっぱり好きってことは大切だよね!